読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

第22話「神軍特別部隊アレス」

ベルからのまっすぐな質問とその力強い瞳が、自分をしっかりと捉えて離さないことにアージェントは嬉しくなり思わず口元に笑みを浮かべた。

 

「…ただの兵士、か。……それでは納得がいくよう説明しよう。他の皆も聞いてくれ」

 

アージェントはバラつきだした意識を再び集めるとゆっくりと話し始めた。

 

「まず今回我々の敵となる"黒翼の軍勢"についてだ。知っている者もいるとは思うが、逸話によると奴らはおよそ千年前、今回同様にこの第五銀河惑星を襲った者達だと云われている。…そしてその脅威はとある五人の戦士の率いる軍によって封印された。しかしその封印はもって千年だと云われている……史実通りならばその封印がついに解かれたのだろう」

 

「五人の戦士?」

 

きょとんとした顔で問いかけたのはフォートだった。

彼は見た目通り勉強云々は好まずこの類の史実もあまり興味がないのか知らない様子だった。

そんなフォートを見かねてかアージェントよりも先に声を発した者がいた。

 

「第五銀河惑星を救った伝説の五人の戦士…ご存じありませんか?小等部の星学で習うはずですが……まあ、いいでしょう」

 

歴史や星学に最も精通しているサヴァンだった。

サヴァンからのチクリとした言葉にはフォートも頭をかいてバツの悪そうな顔をするも「すまねぇ」と笑いかけた。

そんな二人のやりとりにアージェントもクスと鼻先で笑みをこぼすも話しを続けた。

 

「そうだ。およそ千年程前にその五人の戦士達が率いた軍こそ、神軍特別部隊アレスだ。今回の我々の軍名も引き継ぐという意味で拝借している」

 

伝説の戦士等の史実については学んでいたが、それが先程聞いたばかりの軍名だったことにベルは驚きピクリと反応するも、まだ自身が知りたがっている内容が明らかになっていないためか大人しく聞いていた。

 

「続けよう……つまりこのアレスを引き継ぐにふさわしい者を今回招集したのだ。その招集条件の一つが我々五人は、伝説の戦士の子孫であるという事だ」

 

想像していなかった答えにベルは目を大きく開いた。また同様にフォートも知らなかったのか一際大きな声で「マジかよ!」と叫んだ。

 

「あーそれ何となくだけど昔オヤジから聞いたことあるかも。でも本当の事だったんだね」

 

シオンは表情を変えずにひらりと片手をあげて言った。

サヴァンは知っていた為、静かに頷いていた。

 

「え…そんなすごい人たちの子孫だったなんて知らなかった…。両親や親族からは一言も聞いてない…」

 

 

ベルは驚きのあまり心の声が出てしまっていた。